キープクール
Keep Cool / Spieltrieb / Dr. Gerhard Petschel-Held & Dr. Klaus Eisenack作
プレイ人数:3-6人
対象年齢:12歳以上
プレイ時間:1-2時間(実際にはもっと短く終わることも結構あります)
ワンポイントセールス:地球温暖化の最も大きな原因は国家エゴだとわかるゲームです。

 ドイツのポツダム気候影響研究所が開発した、地球温暖化をテーマにしたゲームです。さすがドイツです。温暖化に深い理解を持っているだけでなく、教育ゲームという範囲を超えて、ゲームとしての完成度も高いものがあります。
 ゲームには、「アメリカとその同盟国」「EU諸国」「旧ソビエト連合」「BRICs」「発展途上国」「OPEC」の6つのグループが登場し、プレーヤーはそのうち一つを担当します。それぞれのグループには、現状に合ったスタート条件が与えられています。つまり、アメリカは多くの工場を持っており、経済的に豊かです。発展途上国には工場があまりなく収入も多くありません。また、工場には2種類あり、環境負担の大きい工場と、環境負担が少ない工場です。しかしこちらのほうが建設費は高くなります。
 ゲームは、それぞれのグループに決められた経済的目標(工場の数)と、カードで配られる政治的目標の2つを同時に達成すれば勝利です。しかし、その前に環境が完全に破壊された場合には、誰も勝者とはなれません。政治目標のカードには、2種類の目標が描かれていますが、どひらか一つを達成すればよいのです。そして、これらの政治目標は自分のグループだけの状態で達成できません。世界全体の工場の数や、環境対策の状態が問題なのです。中には、環境悪化を狙っているともわせるような政治目標も含まれています。
 手番には、まず工場の数に応じた収入があります。ただし、環境負担が大きい工場からの収入は環境メーターからとります。環境メーターが低くなれば環境悪化です。環境負担の少ない工場の収入はストックからです。そのあとイベントがあり、工場の建設や環境対策にお金を使えます。また、このゲームの基本は交渉で、全世界的に環境対策にお金を支出することもできますし、発展途上国に援助することもできます。このように、完全な環境破壊が起こらないように、自分のグループだけでなく、ほかのグループにも気を配る必要があります。
 どこかの国(たとえばアメリカのような大国)が、自分たちの経済目標達成を急ぎすぎると、環境は一気に悪化し全員負けのコースに乗ってしまいます。自分の政治目標とのバランスをよく考えてプレイする必要があるのです。
 日本語化されたカードが入っておりプレイがしやすくなっています。


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